1学期目の履修科目紹介③ ~ヨーロッパの文化~

Euroculture1学期目の授業紹介。第3弾はヨーロッパの文化。

「文化」という授業名から、簡単な内容かな?と勝手に想像していましたが、実際は哲学的で、頭を抱える場面が多かったです…。

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授業内容

毎回論文をいくつか読んだ上でドキュメンタリー映画を分析し、「ヨーロッパとは何か?」について考えました。テーマは移民・難民/少数民族/環境/貧困/遺産など、多岐に渡ります。

たとえばこんな映画を見ました↓

映画①「Sami Blood」少数民族

1930年代のスウェーデンで差別された少数民族サーミ人の話。映画の中では一人の少女がサーミ人であることに苦しみ、運命から逃れようともがきます。

授業ではサーミ人に加え、ロマの人々に対する差別についても議論しました。さらに、少数民族を守るためのEUの政策についても話が広がりました。

映画②「I, Daniel Blake」貧困

イギリスの貧困層の話。セーフティネットが機能していない場面が描かれています。病気で働けなくなってしまったおじいさんと、シングルマザーの女性は、どちらも役所の柔軟性に欠けるルールにしばられ、生活保護を受けることができません。貧困問題を考えるきっかけになる一作です。

映画③「Fuocoammare」難民

最後はイタリア・ランペドゥーザ島の日常と難民を捉えた映画。ランペドゥーザ島はヨーロッパを目指すアフリカからの難民・移民の玄関口となっている場所です。

映画では、とある地元の少年の平穏な”日常”と、難民たちの過酷な”異常事態”が平行して描かれつつも、実は複雑に絡み合っているということがほのめかされていました。

弱者の立場は、弱者にしかわからないことが多いですが、ドキュメンタリー映画は問題の存在を気づかせてくれる点が良いと思います。

課題

Group presentation

映画③「Fuocoammare」に関するグループプレゼン。私はメディアの映し出す難民の姿に関する論文を読み、映画からシーンをピックアップして発表しました。準備の際、論文を読む前後で2回映画を見て、感じることや気づきに変化がありおもしろかったです。

Peer review

クラスメイトが行った、映画①「Sami Blood」のプレゼンの評価を行いました。クオリティが高すぎて改善点を見つけるのが難しく、むしろかなり学ばせてもらいました。特にロマ人差別に関するディスカッションが白熱しておもしろかったです。

Paper

「ヨーロッパとは何か」について各々テーマを決め、2,000語のレポートを書きました。私はホロコースト追悼碑のヨーロッパ化をテーマに選びました。

調べたところ、現在、ヨーロッパ各地にあるホロコースト犠牲者の追悼記念碑は、1990年代以降にできたものが多いことがわかりました。

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そもそも終戦直後から1980年代まで、ヨーロッパでホロコーストについて語られることは少なかったそうです。1990年代になってようやく、欧州議会などの貢献により、ホロコーストがヨーロッパ共通の記憶として語られ始めました。

これは私にとって、非常に大きい発見でした。EU創設にホロコーストが大きく影響していたと思っていたからです。当初は反ナチス・反ファシズムのみに焦点を当てていたのだとか。また、西欧・東欧でホロコーストの捉え方には違いがあるそうなので、今後、さらに調べてみたいと思います。

まとめ

元々哲学が苦手なので、まあまあな成績を取りましたが、学ぶことが多かったのでよしとします…!

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