1学期目の履修科目紹介④ ~EUの法律~

Euroculture1学期目の授業紹介。第4弾はEU法

私はこれまでEU法どころか、法律を学んだことがなく、この授業を修了できるか不安でした。実際、法律用語には苦しみましたが、判例からEU法を学ぶことはおもしろかったです!

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授業内容

EU法の優位性と直接効果、EU市民権、人・資本・サービス・物の自由な移動、欧州司法裁判所の役割など、EUの法的統合について学びました。過去何度危機が訪れても、EUが統合を進められたのは、EU法と欧州司法裁判所の貢献があったからだそうです。

 

EU法初心者におすすめの文献!

EU法初心者が、いきなり英語でEU法を理解し、議論することは難しいですよね。なので、まずは日本語の文献に目を通すことをおすすめします!

「はじめてのEU法」は法律を学んだことのない私でも理解できる、わかりやすい言葉で書かれていました↓

なお、EU法の書籍は紙媒体のみのものが多いので、できれば日本で事前に購入しておきましょう。私はKindle等で電子書籍版を探しましたが、2020年末時点ではありませんでした。

日本EU学会の論文は、ネット上でダウンロードできます。Google Sholarなどで検索してみてください。駐日欧州代表部のサイトや、ジェトロの資料でも、EU法に関する情報を日本語で入手することが可能です。

EUの公式サイト

EU法の判例などはEUR-Lexで確認できます。英語を含む、24言語で情報を提供している点は、さすがEUだと感じました。クラスメイトはそれぞれの母語で読んでおり、うらやましかったです…!

ただ、「〇〇 case summary」と検索して出てくるサイトの方が、EUR-Lexよりも説明がわかりやすいことが多々ありました。

 
日本語の文献とDeepLを活用し、乗り切りました

課題

Case law

グループでEU法の代表的な判例を要約、分析しました。
この課題はEU法を身近に感じることができ、結構おもしろかったです。「行列のできる法律相談所」みたいな感じで。上で紹介した「はじめてのEU法」にもいくつか判例が載っています。

課題自体はおもしろかったものの、グループワークがうまくいかないこともありました。ディスカッション前に準備をしすぎて、怒られたり…。最終的には役割を分担し、協力できましたが、グループワークの難しさを改めて感じました。

Literature review

授業前にグループで文献を読み、要約とクラスディスカッション用の質問を作成しました。ただ、文献が難解すぎて、この課題はあまり好きにはなれませんでした…。

Paper

これは3,000語の個人レポートです。Ruiz Zambrano事件をテーマに選び、EU市民権第三国移民について書きました。簡単に説明すると、欧州司法裁判所は移民に寛大過ぎて、EU懐疑派との溝を深めてしまっているのではないかという話です。

*Ruiz Zambrano事件:ベルギーに不法滞在していたコロンビア出身のZambrano夫妻が、ベルギーで生まれた子ども達のEU市民権を理由に、ベルギーでの滞在を合法的に認めるよう主張した事件のことです。欧州司法裁判所はベルギー政府に対し、Zambrano夫妻の居住と労働を許可するよう求めました。

締切直前までテーマの選定に悩みましたが、テーマを小さめ(一つの判例)に絞ったことで、うまくまとめられました!以前読んだ、「西洋の自死(The Strange Death of Europe)」というEU懐疑派ジャーナリストの本も今回役に立ちました。

 
この表紙、怖くないですか…笑?
英語版はおしゃれなのに、なんでこんなに違うんだろう…

まとめ

1学期目前半に政治の授業で学んだ内容を、法の面から学び直し、EU統合への理解をより深められたように思います。いままでEU法の勉強を避けてきましたが、今回、法律のおもしろさを知ることができました!(大変さの方が大きかったですが。笑)

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